「圧力損失」とは?メカニズムや損失の低減策を解説

流体技術において、圧力損失は無視できない要素です。
特に、摩擦損失は圧力損失の主要な原因となり、効率や性能に大きな影響を与えます。
この記事では、摩擦損失のメカニズムから計算式、影響因子までを網羅的に解説します。
圧力損失とは何か?
管路内を流れる流体は、壁面との摩擦や形状変化によって抵抗を受け、圧力が低下します。
この現象を「圧力損失」と呼びます。
圧力損失は、エネルギー損失として捉えることもできます。
流量や効率の低下、ポンプの動力消費量の増加などに繋がるため、流体システム設計において重要な考慮事項となります。
摩擦損失のメカニズム
構造物の設計・開発において、CAE解析は必須の技術です。
CAE解析には、静的解析と動的解析の2種類があり、それぞれ異なる荷重条件と時間経過を考慮した解析を行います。
摩擦損失の計算式
摩擦損失は、以下のダルシー・ワイスバッハの式で計算することができます。
ΔP = (λ f L) / d
ここで、
ΔP:摩擦損失 [Pa]
λ:管摩擦係数 [-]
f:摩擦抵抗係数 [-]
L:管路長 [m]
d:管路内径 [m]
となります。
管摩擦係数λ
管摩擦係数λは、流体の粘性、流速、管路粗さによって決まります。
層流と乱流で計算式が異なります。
層流とは、流線が規則正しく並ぶ流れ方を指します。
層流の場合、管摩擦係数λは以下の式で求めることができます。
※λ = 64 / Re
※Re:レイノルズ数
代表的な実験式は以下の通りです。
乱流とは、流線が不規則に乱れる流れ方を指します。
乱流の場合、管摩擦係数λを直接計算することは困難であり、実験式を用いる必要があります。
ブラジリウスの式:(Re=3×10^3~1×10^5)
λ = 0.3164 * Re^(-0.25)
ニクラッゼの式:(Re=1×10^6~3×10^6)
λ = 0.0032 + 0.221Re^(−0.237)
※λ:管摩擦係数、Re:レイノルズ数
摩擦損失に影響を与える因子
摩擦損失は以下の因子によって影響を受けます。
- 流体粘性: 粘性が高い流体ほど摩擦損失が大きくなります。
- 流速: 流速が高いほど摩擦損失が大きくなります。
- 管路長: 管路長が長いほど摩擦損失が大きくなります。
- 管路内径: 管路内径が小さいほど摩擦損失が大きくなります。
- 管壁粗さ: 管壁粗さが大きいほど摩擦損失が大きくなります。
摩擦損失を低減する方法
摩擦損失を低減するには、以下の方法があります。
- 粘性の低い流体を使用する流速
- 流速を下げる
- 管路径を大きくする
- 管壁粗さを小さくする
CAE解析を活用することで、上記の方法をより効果的かつ効率的に検討することが可能です。
まとめ
摩擦損失は、流体システム設計において重要な要素であり、理解と対策が不可欠です。
弊社は、お客様のニーズに合わせた最適なCAE解析サービスを提供いたします。
長年の経験と実績に基づいた解析技術と、高度なCAEツールを活用することで、摩擦損失を低減し、システムの効率と性能を飛躍的に向上させることができます。
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